ベースの音作りにもう悩まない!?歪は○○をしてガツンとより重く!!


-導入-

第三回目となる今回はモダンメタルに置けるベースの音つくりのアプローチです。
メタルコア、デスコア、Djent、などなど近代メタルのベースの音といわれて、ギターに負けないくらい歪んでて腹に来るような重たいロー
といったような音を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?
(この辺は趣味の問題なので賛同できない方も多くいると思います)
ああいった音を出したいけども、いい機材をもってない、そもそもベースに詳しくない、MIDI音源しかない等々

こんな方におススメ

  • ベースをガッツリ歪ませたいけど、低音まで潰れて思い通りにならない
  • ハイとローのバランスがうまく取れない
  • Djentやメタルコアみたいなガシャガシャしたベースにしたいが手持ちのものでは上手くいかない
  • ベース用の良い歪も実機もプラグインも欲しいけど優先度で諦めてる
  • ベースの低域が安定しなくて困る
  • そもそもギターしか弾けないし音つくりがよくわからない

自分も上の項目などで結構悩まされた経験があるのでそういう方には、とても効果的なアプローチだと思います。
では具体的にどう処理していけばいいのか?

スプリットしていくという手法です。


-概要とスプリットするメリットとは?-

今回のアプローチは海外のメタル系コンポーザー、宅録、エンジニア間ではかなりメジャーなアプローチとなっているようで、
同じような動画もあちこちにあり、既に知っていた方もいるかと思います。
というわけでその中からこちらを使って説明と例を挙げていきたいと思います。

全体のミックス動画ですので16分あたりからベースが始まります。
再生するとベースの音が流れますが、トラックが三つも使われていることがわかると思います。
手っ取り早く説明しますと、一つのDIを二つにコピーし
片方にハイパス、もう一方にローパスをかけて完全に独立したハイとロートラックを作り
最終的に一つのトラックに纏めなおし、そこで調整していく。という方法です。

いまいちよく分からないという方や、細かく動画をみて行きたい方は、そこから少し長くなりますので少し項目分けしておきました。

動画自体も全体を解説していっているので見てみると色々と勉強になるかもしれません。

では何故わざわざスプリットするのか?
前回のEQを弄らないローの出し方!○○を混ぜて重みを出そう!でも説明しましたが、
ローというのは歪を通した時に、削られたり、変に増幅されたりいろいろと望んでいない変化を付けられることが少なくありません。結果として外の楽器の邪魔をしてしまうことがあります。
しかもベースはローが大半を占めているので、ハイをガッツリ歪ませて抜けが良くなる前に大体ローが潰れます
(そういう音が好まれる場面もあるので悪い音という意味ではないです。)
単体でとても気に入った音作りが出来たのに全体で聞くと、超低音が足りなかったり、ハイがうるさかったり、ミドルが持ち上がりすぎたりetc
いろいろと難しい場面が出てきて音作りを変えざるを得ない。なんてことがある方もいるかと思います。

しかし、二つに分けてしまえば、
ハイうるさければアンプ側のEQやゲインを下げずに、フェーダーだけでコントロールでき
ローに問題があればローのみにコンプ、EQがかけられるので直に解決方法が導き出せます。

今回参考にした動画の3 Sigma Audioは当初Rosen Digitalとして活動していた人たちが、去年あたりから独立して3sigmaとして立ち上げ
キャビネットIRや、Kemperプロファイル、リバーブIR、ドラムキット、アコースティック楽器用IR、IRローダー、などなど
マニアックなものから王道な物まで販売している小さいグループです。IRに関しては結構マニアックなPort cityやDrZ、Morganなど沢山あります。
個人的にはなかなか高品質でアメリカンな音を提供しているかなと思うので、チェックしてみるといいかもしれないです。


-実例-

Trilian Bassや有料のいいベース音源、本物のベースを使って例を出してもあまり参考にならなかったり、楽器自体の差では?
という疑問などが出てくると思いましたので、今回はCubase付属音源HalionのGM音源のベースを使用したいと思います。
その中から

[GM034] ELECTRIC BASS finger

というプリセットを読み込んでそのまま作業していきます。
Cubaseユーザーならわかるかと思いますが、プリセットの中でもかなり安っぽい部類の音です。

はじめのMIDIだけ打ち込んだ段階がこちらです。

素の音 Cubase Halion Sonic SE [GM034] ELECTRIC BASS finger

正直フリーのベース音源の方がもう少しマシなレベルです。ここから作業を進めていきます。

さらに今回は音作りのプラグインは誰でも参考になるよう、フリー配布のプラグインを使用することにしました。

使用したフリープラグインとキャビネットIR
  • TSC Tubes Creamer 808 Core by Mercuriall Audio
  • Poulin Legion by LePou plugin
  • NadIR by Ignite amps
  • CATHARSIS FREDMAN IMPULSES – 1on-presshigh (Cabinet IR)
  • Loud Max
  • C3 Multi Band Compressor by slim slow slider

これらのプラグインはフリーの中でも結構高品質な物なので、持っていて損はないかなと思いますし、自分も未だに使っているものがあります。

では工程に移ります。
動画とまったく同様に書き出してトラックを同一トラックを二個用意しても良いのですが、
センドをプリフェ-ダーにし、送り先を用意しても同じ効果が得られるかと思います。(Wavの読み込みが一つだけになるので極僅かに負荷が低いかもしれません)

そして間違いがないようにリネームし、動画と同様にハイとローに分けていきます。

[低域]

まずはローから、適当に260hzまでのローパスをいれてスプリットさせました。○○hzに○○dbのカットをすべき!など特にないので自分の思った低域が出る箇所に入れてください。
正直このままで問題なければローはこれで終わりです。

少し導入部分で触れた「ベースの低域が安定しない」についての説明をしたいと思います。
この状態は完全に素のローだけ抽出され且つ今回は位相問題が深くかかわらない、なのでこの段階で好きなだけ整えることが可能です。
リミッターやコンプを複数挿して音量を安定させたり、キックとの兼ね合いでEQで気になる箇所を削ってもかまいません。
ハイのアタックを一切気にする必要がない分とても楽に設定できるかと思います。

話が若干逸れてしまうので今回はLoud MAXだけを挿して飛び出る部分をカットして軽く均す程度にしました。

以下ローにおける参考設定

[高域]

次にハイですが、330hzまでのハイパスをした後にTSC1.0とLegion ampをインサートしました。
少しミドルのあたりが心許無かったので、TSCの後、アンプの前に付属のEQで850hzを突いておきました。
こちらも以上で終わりです。

人によっては高域のほうにも歪の前にローパスをかけて超高域のあたりが増幅されるのを防ぐ人もいるようです。
今回はギター用のアンシミュを使用しましたが、歪ならなんでもかまわないと思います。
主にベースの役割は低域の方が既に果たしているのでこちらはキャラクター付けといった解釈で結構ですので、
シンセなどで使われる物、ファズ、ビットクラッシャーや普段使わない物も面白いかもしれないです。

以下ハイにおける参考設定

[ステムトラック]

最後に二つのトラックを一つに纏めます。
グループトラックや別のオーディオトラックを作って高域と低域のアウトをそれのインプットに設定します。
そのトラックで改めて音作り、ミックスの工程を進める、という訳です。

今回はIRを入れてより生っぽさ
フリーの定番IRであるCATHARSIS FREDMANから1on-presshighをNadIRに読み込ませました。
タイトにする為にGateを入れましたが、IRの後でも前でも掛かりが良いほうでかまいませんし、気にならなければ要らないと思います。こちらも付属のものです。
最後にC3 Multi Band Compressorで中域(100hz後半から1000hz手前まで適当に)をガンガン削ってできた物がこちらになります

[GM034] ELECTRIC BASS fingerで音作り後の例

いかがでしょうか?
ハイもガッツリ出しているのにローがしっかりあるので
かなり厳つい印象に変わったと思います。

以下ステムの参考設定

さらに簡単にドラムとシンセを適当に足して軽く調整して見るとそれらしくなってきました。

ベースとドラム、シンセを鳴らしたもの

素の音の時よりAntiknockや立川あたりでライブ出来そうな音源に数段近づけたと思います。

最低限の音の例として付属音源の特に安っぽいプリセット、フリーのプラグインを使用したのですが
良いベース音源や、生音、有料のアンシミュを使えば当然更にいい結果が得られます。
今回は極端にゲインをあげて普通のインサート等では得られにくい音を作ってみましたが、
もちろんゲインを下げたり、ベース用アンプで歪ませたりすれば従来のベースっぽい音作りも可能です。

ベース音源はもってないという方は此方の音源が、フリー配布とは思えないクオリティなので
試しに使ってみると良いかも知れません。
Ample Bass P Lite II


-注意点-

今回はキャビシミュ(IR)を置く位置についてですので、注意といっても知って置くと便利くらいの心構えでかまいません。
このアプローチは帯域が被らないように分けてしまってますので、上記で触れたように位相問題はあまり気にしなくてかまわないと思います。

例えばローだけの段階で納得のいくまでキッチリ調整して、今回のようにステムの段階でキャビシミュを読み込ませると、
せっかく整えたローがゴッソリ持ってかれたり、望んでないのに凄まじく変化してしまうといったことが起きてしまいます。
なので、避けたい場合はキャビを高域トラックに置くことで回避できます。それからステムで微調整していけば問題ありません。

今回同様ステムにキャビを置く場合のローのみの調整は大まかにしたり、ステムで行うことをお勧めします。

またキャビシミュ自体を使わないという手段もありますので、いろいろな組み合わせを試してみて自分が望むものに一番近い状態になる物を選べば良いと思います。


-まとめ-

導入手順が長く面倒なように見えますが、やってみると思いの外単純で直に慣れるかと思います。
何かとステムトラックを作るようにする癖がつくとそれ以降の工程がとても楽になります。

また気づいている人もいたかと思いますが、この手法はGuitar RigやPOD FARMなどのスプリット機能を使った場合と同じ考えです。
一応自分はGuitar Rigを持っているのですが、このトラックごとに分けてしまうほうが更に細かく音を作ったり、大きく変化させるような事まで可能ですのでこちらを使っています。
さらに注意事項で触れたように、インサート箇所など沢山の組み合わせがありますので、歪に有効なだけでなく今までと違った音を出したい時とかにもいいと思います。

よくベース用のディストーション、ファズペダルにミックスノブがついているのを見かけると思うのですが、
今回は詰まる所ああいった物の応用版といったアプローチでした。
自分も前までベースをガッツリ歪ませたいのに思った音にならない事が幾度となくありましたが、
このアプローチを使ってから秒で解決できるようになったので、かなり依存しながら製作しています。

というわけで今回も低音厨を拗らせて強い音を出していこう!という記事でした。
ご意見、ご質問、自分でもやってみた等報告
なんでも結構ですので気軽にコメント欄お使いください。
今回も最後まで目を通して頂きありがとうございます!

P.S.
ベースやギターに限った話ではないのですが、普段ひとつの音だと認識していたものが実はプロジェクト上だと
複数重ねて作られている事は多々ありますので、いろいろな楽曲の音を疑ってみると面白いかと思います。

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